つながろうねっト

つながろう!世界の日本語教師

『つながろうねっト』

目標:

  1. 世界中の現場教師が国や文化,言語を越えてつながり,協力してよりよい教師を目指す
  2. 世界中の現場教師が知識や意見,体験や問題を共有する
  3. 若手・ベテラン教師,日本語非母語母語話者教師に関わらず有意義な意見交換ができる場を創造する

 

モットー: 

1.現場の日常の発信 

各国・地域の日本語教師会や研究会では年次大会などを通して,1年に1回から数回程度,現場の実践・研究の報告などが行われてはいるが,その地域の参加者のみの共有に留まり、多くの実践・研究は広く共有されない。本会では,教師の日ごろ抱える問題や悩みをオンラインテクノロジーを用い,小さなグループで気兼ねなく気軽に議論できるような活動を行いたい。また,UStreamを用い,各地域で行われている実際の授業を見学しあうことで、アイデアの共有やフィードバックを通して、教師の能力開発につなげたい。

 

2.現場の教師へ直接届ける 

これまでの日本語教育関連機関の教師会やセミナーでは,物理的に参加しなければならず,大会やセミナーに経済的または時間的に難しい人にとっては参加しにくいものとなっていた。日本語教師が多い地域では,研究会や国際交流基金のセミナーなどに参加する機会が多いが,それら以外の地域で教える日本語教師にとっては難しい。また,そのような地域で働く日本語教師の多くは,同僚教師もおらず,孤立し日々葛藤の中で日本語を教えていることもある。本研究会ではオンラインテクノロジーを用い,世界中の日本語教師が教室、オフィス、家、電車の中カフェなどいたるところでつながり,必要なときに気兼ねなく相談し,助けを求められるような会にしたい。


3.各地域の独自性と地域間の連携を目指して

近年の日本語教育では,アーティキュレーションの重要性が認識されつつある。その根本的な理念として「Think Globally, Act Locally」の重要性が指摘されている。本会では,文化や言語,民族といった境界を越えた移動が増加する現在,どのように地域の独自性を生かしつつ,地域間の連携を実践していけるのか,世界中の日本語教育について再検討することは,グローバル化する日本語教育を考える際に必要不可欠である。


趣旨:
2009年度に行われた国際交流基金の調査によると,海外における日本語教育は,現在133カ国・地域で行われており,3,651,761人の学習者がいる。2006年の同調査と比べて22.5パーセントも伸びており,今後も増えることが予想される。また,国際交流基金の調査対象となる機関以外で学ぶ多くの学習者の存在も指摘されており,実際にはさらに多くの学習者が海外で日本語を学んでいると考えられる。一方,文化庁(2010)による日本における日本語教育の調査では,日本国内の日本語学習者数は170,858人となっており,海外での学習者の5%以下である。しかしながら,これまでの日本語教育における実践報告や研究は,その多くが日本が主導的役割を果たし,海外の日本語教育はそれぞれの国・地域のみで共有される傾向があった。しかし,日本語教育が世界的な広がりを見せ,地域の特徴や独自性を反映した多様な日本語教育が行われている現状を鑑みると,それぞれの国や地域で行われている日本語教育の実践・調査・研究を広く共有することは,さらなる日本語教育の発展に繋がると考えられる。 さらに,このような活動には,日本語教師多様性も十分に反映されてきたとは言い難い。例えば、日本で働く日本語教師は29,190人であるのに対して,海外で働く日本語教師は49,844人もおり,その約7割は現地教師(非母語話者教師)である。このように海外の日本語教育において,現地教師は重要な役割を果たしているにも関わらず,日本での日本語教育を基準とした支援や育成といった側面が強調され,現地教師の持つ知識や経験,技能が広く共有されてこなかった現実がある。さらには,各地域の日本語教育のよりよい理解を目指すためには,現地教師という集団内の多様性にも目を向けていく必要性がある。このことを考えると,これまでの実践報告や研究は,海外の日本語教育のごく一部であり,海外の現場の教師一人ひとりが携わったものか,また一人ひとりに届いているのか疑問が残る。 本会の目的は,海外で働く現場教師が日々の教育実践や調査,研究を報告,共有することで,世界中の日本語教育の質的向上を目指す。そのために,数ヶ月に一度,世界中の日本語教育研究会/学校がミニセミナー,教室活動の共有を開催し,Ustreamなどの電子会議形式を用い世界中に発信する。

 

具体的な活動計画:
年に数回ミニセミナーを実施
「漢字指導」や「発音指導」など,ある特定のトピックについて持ち回りでミニセミナーを実施する。これらのセミナーは, その場に物理的に参加できる教師だけではなく,UStreamを用い,全世界で共有する。UStreamはストリーミングのソフトウェアであるため,場所に関わらず,同時的にセミナーを視聴することが可能である。さらにコメント機能を活用することで,その会場内だけではなく,オンラインで双方向のコミュニケーションを行うことができる。さらに,これらの動画はインターネット上に保管することができるため,その時に参加できない教師も後から視聴することが可能である。  ミニセミナーのトピックは,参加者にアンケート調査などを実施し、参加者の興味や必要性などを考慮して決定する。
各国・各地域の教室活動を共有する
持ち回り(2,3ヶ月に一度ぐらい)で各地域の日本語授業の実際の授業について共有する。具体的には,50分ほどの授業や2~30分の教室活動を1と同様にUStreamを用いて各地域の会員と共有し,インターネット上で,単なる批判ではない,よりよい授業を目指した建設的な意見交換を行う。 ただし,これには学生の肖像権など,事前に倫理的な問題やそれぞれの地域での課題を解決しておく必要性がある。
ウェブ掲示板を活用し,日々の悩みを共有する
必要なときに,自由に,また気軽に意見を求め,話し合う場としての掲示板を設置する。内容も授業に関するものに留まらず,教師同士の関係やそれぞれの地域の文化など,全世界の日本語教師を包括的に,またお互いに支えられるような場になることが期待される。
WEB版実践報告集の発刊 
自身の教育活動を内省し、体系的に振り返ることは教師の成長にとって必要不可欠である。しかしながら、日本語教師の多くは、日々仕事に追われ、自身の授業実践を振り返る機会は少ない。本実践報告集では、アクションリサーチという形で教育実践を文章化し、世界中の日本語教師の実践の共有の場になればと考えている。また、このようなアクションリサーチの「一般化はレポートの結論に示されるのではなく、読者が共感したときに発生する」(佐野, 2005, p. 12)というように、実践報告集の読者自身が自分の実践に当てはめ、内省することも期待できる。


※本研究会のいかなる活動もそれぞれの会員の自由意志によるものであり,強制されるものではない。活発で有意義な話し合いを持つために,より多くの会員の参加が期待されるが,ミニセミナーや教室活動の報告の視聴のみの参加も歓迎する。